香港の漁村、大澳
香港の西部に位置する大嶼島(ランタオ島)。その西端に近い場所にある漁村が、大澳(タイオー)である。
大澳は、香港政府からも香港を代表する古い漁村の一つと紹介されている場所で、古くから漁業と塩の生産によって発展してきた土地と言われる。宋の時代(960~1279年)には既に塩の生産地として知られていたようだ。
一方では漁業が盛んになるにつれて、蜑家(タンカ)と呼ばれる水上生活者が大澳の主要な住民となった。かつて船上で暮らしていた彼らが岸辺に木材で家を建てるようになり、それが発展した棚屋(パンガウ)が大澳らしい水上集落の風景をつくり出している。


この大澳に、「蝦醬(ハー・ジョン)」と呼ばれる海老ペーストがあると聞きつけやってきた。海で獲れた小エビを発酵させて作る発酵調味料である。この蝦醬を使用した名物もあるということで探していきたい。
大澳名物の海老ペースト
海岸線沿いの道を歩いていると、時折青い大きなタンクを見かける。この中に入っているものこそが、蝦醬なのだ。

小エビを塩と合わせてすり潰し、発酵熟成させ、天日にさらして作り上げる蝦醬。タンクでは発酵が進められている。香港の無形文化遺産にも登録されており、漁村の食文化を伝える伝統調味料と言えるだろう。
海岸沿いの商店では、このように軒先で蝦醬を販売している。タイのナンプラーや日本にもしょっつるやいしるといった魚醤があるが、蝦醬は魚醤とは異なり水分を飛ばしてペースト状にしているのがおもしろい。

海老ペースト炒飯を実食
蝦醬を使用した名物が食べられるお店があるということでやってきた。大澳の中心部にある華記餐室さんだ。

入ってみると、街の食堂といった雰囲気が良い。

お姉さんがメニュー表を持ってきてくれた。ビールがあるのがありがたい。

こちらは食事のメニュー表だ。$60と書き直されている「蝦醬炒飯」が海老ペースト炒飯。今回の目当てでもあるこちらを迷わず注文した。

海老ペースト炒飯が来る前に、サンミゲルビールで一杯。暑い香港でのこの一杯がおいしいものだ。

するとやってきた海老ペースト炒飯。パラパラとしたご飯に卵や豚肉、グリンピース等が加わっている。さあ、食べてみよう。

食べてみると、口の中に広がる香ばしいエビの香り。干しエビを炒めた時に出るような香ばしさでクセになる。塩辛のような芳醇な味わいも時折感じられる。これは食欲が刺激される逸品だ。
他では食べたことのない、海老ペースト炒飯の味わい。これは香港中心部からは距離があるが、大澳まで足を運んでぜひ食べたい名物と言える。

華記餐室へのアクセス
「華記餐室」は、大澳の中心部にある永安街に店を構えています。地図を以下から確認できますので、ぜひチェックください!



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