万燈神輿発祥の地のお祭り
東京都墨田区の北部に、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の鐘ヶ淵という駅があります。この駅から東へ荒川方面に進んだ場所にあるのが、万燈神輿発祥の地の隅田稲荷神社です。
隅田稲荷神社は、室町時代の天文年間(1532年から1555年)に創建されたと伝わる神社で、創建したのは隅田開拓の祖としても知られる江川善左衛門雅門。元は初代堀越公方の足利政知の家臣で、堀越公方滅亡の際に拠点であった伊豆を逃れて当地に辿り着き、善左衛門村を開拓したと伝わっています。隅田稲荷神社はその氏神として建てられ、「善左衛門稲荷」とも呼ばれ当地の鎮守となりました。
この隅田稲荷神社の例大祭が、毎年6月中旬の土日に開催されています。そしてお祭りに合わせて登場するのが、万燈神輿!万燈神輿とはその名の通り、たくさんの明かりを灯したお神輿のことで、隅田稲荷神社では特にお神輿の上部四方に弓張提灯をずらっと掲げられた姿が特徴的です。万燈神輿は筑波や鶴見、藤沢等の各所でもみられますが、隅田稲荷神社がこの万燈神輿発祥の地であり、そのことを知らせる碑が境内には設置されています。
2024年は6月15、16日に例大祭が開催されました。コロナ禍の影響を受け、実に4年ぶりの渡御となった万燈神輿の様子をここからは見ていきましょう!
境内に展示されるお神輿
隅田稲荷神社の境内へとやってきました。鳥居にはお祭りの開催を知らせる提灯が掲げられ、お祭りムードが広がっています。
境内では本宮の大神輿と中神輿の展示が行われていました。
振り返り後方を見ると現れたのが、「善一之宮」の額が掲げられた万燈神輿です!お神輿の前面には江川善左衛門の武者絵が描かれています。「隅田の開拓者 江川善左衛門之勇姿」という題名も記され、善左衛門が当地で大切にされてきた歴史を感じられますね。
4年ぶりの渡御
万燈神輿の渡御がはじまる18時頃、渡御会場の鐘ヶ淵通りへ。神社方面から威勢の良い声が聞こえ出し、万燈神輿が登場しました!
お神輿の上部にはたくさんの弓張提灯と藤の花が。また中央には稲荷大神の使いである狐の姿もあり、狐の口には鍵がくわえられています。なぜ鍵なのかというと、稲荷大神は五穀豊穣の神として知られており、関連する米倉の鍵をくわえているのです。
さあ一本締めが行われ、本格的な渡御がスタートしますよ!
勢いよく鐘ヶ淵通りを進みはじめました!
こちらの万燈神輿は境内に展示されていたものとは違うもので、額には「善二之宮」との記載が。正面のイラストは、善一之宮と同じく江川善左衛門の武者絵ですよ。今度は馬に跨った姿が描かれています。
担ぎ手の皆さまと比べると、お神輿の巨大さがわかるのではないでしょうか。担ぎ棒も太く、かなり大きなお神輿です!
お神輿は四面とも違う絵が描かれているんです。左側には「平和農耕」の様子が。
右側には「八僧万燈の御縁起」が描かれています。
提灯に火が灯り艶やかに
日も暮れはじめた18時半過ぎ、万燈神輿に明かりが灯りました。ここからより一層盛り上がっていきます!
一本締めがされ、再び渡御スタートです。響くお囃子の音も良いですね。
鐘ヶ淵通りを威勢良く進みますよ。
辺りが暗くなってきて、お神輿には艶やかさが出てきたようです。
沿道には万燈神輿を一目見ようと、地元の方が大勢集まっていました。
日暮れも進み、夕日を浴びる万燈神輿。この雰囲気がたまりませんね。
すっかり暗くなり、万燈神輿の輝きも増します。
さあ、まだまだ盛り上がって渡御していきますよ!
東京スカイツリーとの共演が楽しめる場面もありました。
露店も並ぶ
隅田稲荷神社へ続く道路には、露店もたくさん出店しています。お祭りグルメの定番、焼きそばやたこ焼き等も楽しめますよ!
射的等の遊べる露店は地元の子どもたちで賑わっていました!
神社の鳥居前には金魚すくいのお店も。お祭りで手に入った金魚は夏の思い出になりそうですね。
隅田稲荷神社へのアクセス
・東武伊勢崎線(東京スカイツリーライン) 鐘ヶ淵駅より徒歩8分
・京成電鉄押上線 八広駅より徒歩12分
4年ぶり、隅田稲荷神社例大祭の万燈神輿渡御。その場面に立ち会うことができ最高でした。毎年6月中旬の土日にお祭りが開催されていますので、ぜひ来てみてください!
※お祭りの情報は、墨田区観光協会のホームページも合わせてご確認ください
https://visit-sumida.jp/
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