汕頭の海浜市場へ
旅の醍醐味といえば、市場飯にある。市場は各地からの食材が集まることから、食文化の交差点になり、また地元食文化の発信源ともなる場所だ。これは日本に於いてもそうだが、世界中を旅していても感じるものである。
広東省東部の街、汕頭には大きな市場が存在する。その市場の名は「海浜市場」。東シナ海に面した汕頭で、名前の通り海近くにある市場だ。
海の幸、山の幸となんでも揃い、活気のある海浜市場。入り口からおばちゃんが大きな声で他の店主たちとコミュニケーションをとっていて賑やかだ。市場は単なる買い物の場ではなく、人々の生活が息づく場所でもある。早朝から行き交う人々の活気に満ちた様子は、市場ならではの光景である。

市場内を散策
市場の中に入ってみると、一面に広がる魚。さすがは海に面した街の市場だ。

大雑把にどかっと置かれたさまざまな品種の魚。なんという魚種なのだろうか。渡り蟹やタコの姿も見え、他の魚種もまだまだたくさん並んでいる。


ぎっしりと並べられた魚を前に、地元の方が真剣な眼差しで選んでいく。

アジアから世界につながる海の前の市場。さまざまな食材を目前に、見飽きることは無い空間である。また魚だけでなく、野菜やお肉が並んでいるのも地元の方が買い物に来る日常的な場所であることがわかる。



野菜は日本のものより大抵大きいようだ。並べられているだけだが、なんだか迫力がある。

「猪脚飯」を食す
それでは市場飯を探しに行こう。幸い「海浜市場」の周りには市場で働く人の胃袋を温めてくれる飲食店が多数並んでいる。その様子はあたかもかつての築地市場のようでもある。
市場の正面の通りでモクモクと湯気の立っているお店があった。店名は「正宗隆江猪脚飯」。「猪脚飯」とは直訳すると、豚足ご飯のお店だ。

中に入ると女性がもくもくと肉を切っていた。なかなかに風情がある。市場近くならではといった光景だろうか。店内では常連らしき人々が黙々とご飯をかき込んでおり、こちらまで食欲をそそられてしまう。

「猪脚飯」は広東省の名物とのことだ。注文するならこちら一択。名物が食べられることに期待が膨らむ。
注文からさほど時間が経たず食事が運ばれてきた。さあ、食べていこう。これでもかと乗せられた豚足に青菜と厚揚げが添えられているのが嬉しい。そしてスープまでついている。なんのスープだろうか。

気になったのでスープから飲んでみる。この味は、「ゴーヤだ!」。爽やかな苦味が口の中に広がり、胃袋の食欲を刺激していく。

続いて、お肉を食べよう。豚足はじっくりと煮込まれ、口の中へ入れるとトロトロととろける。これはたまらない。味付けは醤油ベースの甘辛いタレで煮込まれていて、ご飯との相性は抜群だ。ひたひたになった青菜や厚揚げも良いアクセントになり、豚足を食べ進める手が止まらない。


そしてご飯にもタレをかけてくれているというところも憎めないサービスだ。

もくもくと食べ進め、気付いたらあっという間に食べ終えてしまった。朝ごはんからものすごくパワーをもらった。市場で出会えた猪脚飯、また汕頭に来たらぜひ食べたいものだ。
店舗情報
今回「猪脚飯」を食したお店「潮香正宗隆江猪脚飯」と「海浜市場」の地図を以下のリンクから確認できます。ぜひ汕頭へ来た際には立ち寄ってみてください!
・潮香正宗隆江猪脚飯
・海浜市場
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