羽田を出て約5時間。窓外の眼下に大都会が現れた。広東省の州都、広州の街並みだ。
一面に広がる摩天楼。珠江川の河岸には600mの高さを持つ、東京スカイツリーに抜かれる2012年まで世界一高い電波塔だった広州塔の姿を拝むこともできた。
いよいよ2019年以来5年ぶりに、中国の大地へと足を踏み入れる。
広州白雲国際空港へ着陸した。白雲とは広州市の北部にそびえ名山として知られる白雲山から取られたものだという。さあ、入国手続きだ。
周りを見るに同じ飛行機に乗ってきたのはほぼ中国人で、まず外国人の姿は見えない。
入国審査カウンターへと進むとスタッフから声をかけられる。どうやらトランジット滞在のためには別場所で特別な手続きをしなければいけないようだ。機内で入国カードの記入は行っていたのに。
外国人用の特別なデスクへとやってきた。ここではじめて日本人と遭遇。同じ便に乗ってきた2名だったがどちらも中国を旅する訳ではなく、乗り換えでバンコクを目指すという。
乗り換えであっても広州空港は一度入国が必要なため、手続きをしに来ているとのことだった。
ということで、新しい手続き資料への記入をはじめたが、ほぼ入国カードと同じ内容を記入すれば良い簡単なもので一安心。
デスクの中国人のお兄さんはいかにも事務的な感じで、資料を見せると一瞬で確認が終わった。羽田でトラブルの原因となった、「潮汕駅→香港西九龍駅」の新幹線チケットも見せたが何も言われなかった。
デスクを後にし、そのまま入国カウンターへと再び向かう。多少時間がかかったのでこの頃には入国カウンターが閉められてしまっていたが(飛行機が到着した時にしか開いていないよう)、若い空港スタッフの兄ちゃんが案内してくれる。
彼は全く英語は話せないが、どうにも陽気な雰囲気でいい兄ちゃんだ。目鼻立ちがはっきりしていて、もしかするとどこかの民族出身なのかもしれない。
対して入国審査官はいかにもな強面のおじさんだ。「さっきまでいた女性の方がよかったなあ」と思いながらも粛々と手続きを進めていく。ジロジロ見られているが、果たして入国できるのか。
心配をよそ目に特に何も言われず、そのまますんなりと無事スタンプをもらうことができた。トランジットビザ免除、広東省内144時間(6日間)の滞在が認められたのだ。
これで晴れて5年ぶりの中国の大地を踏みしめられる。広東省探訪の旅が、いよいよはじまりとなった。
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